2016年05月09日

ベニスの商人 ありがとうございました?

FB_IMG_1462770628894.jpg劇団鳥獣戯画「ベニスの商人」、全公演が終了しました。

濃密でした。挑戦してよかったと思える本当に大変な公演でした。いや、大変だった(笑)

東京での生活を再び始めてからの初めての公演。
生活とリハーサルの両立。
目黒から埼玉へのリハーサル往復の体力への過信。
何より作品自体がそもそもひと筋縄ではいかないもの。

ベニスの商人
僕の役はバサーニオ。ほぼ原作同様のポジションで、ヒロインポーシャに求婚する愛の男。
そして今回の作品のテーマには、どこにでも潜んでいる差別という問題。
愛すべきバサーニオは、恋した女性にプロポーズする為に友人から借金をする。その額なんと二億円!!
そしてユダヤ人と自分達は根本的に違うという思想に毛ほどの疑いもない。
ひどいやつです(笑)
でも、そんなひどいやつを魅力的な人間に演じたかった。
本人が気付いてない罪は、ギリギリまでお客様にも気づかせない。
純粋で情熱にまっすぐで、見ていて愛らしくなってしまう男。それゆえ、過ちも犯し、周囲も巻き込んでしまう。
喜びや楽しみが枠を越えているからこいつがひどいことをしてるって忘れてしまう。
そんなバサーニオ像を目指しました。

もう、疲れるのなんのって。
自分の中で出し切れない部分があると、青山郁彦がバサーニオに人間批判をはじめだす。ダメダメ、演じている俺が分からなくなるくらいに純粋に無意識に差別を行う。何より本人は差別というものがあるとしたらそれはいけないもにだとおもっているだろうから。

メインテーマが「矛盾」
どう生きていくのが皆が幸せに生きられる道なのか分からない。決して規則や額縁でガチガチに固めることが豊かで幸せな道じゃないと思うけれど、僕は僕なりに、幸せにまっすぐに自分のことだけ考える人間の身勝手さとしかしそこに発生する欲望の魅力を、爽やかに表そうと試みました。

原作と違うラストを迎えたこのベニス。
バサーニオをその後どうなったのかなぁ。
アントーニオを思い、シャイロックを追い詰めてしまった状況を顧み、生き方を変えていったにだろうか。。。いや、それは僕自身の日本人的発想。
きっと、ひとしきり泣いて、ユダヤ人を憎み、アントーニオに代わる第2の友人を見つけ、金持ちのポーシャと裕福に貴族生活を謳歌していったんだろう。
きっと彼らの世界はそう簡単には変わらない。
世界は矛盾に満ちているのである。

ベニスの商人

劇団鳥獣戯画の皆様、共演の皆様、スタッフの皆様、そして観劇くださった皆様、ありがとうございました!!
posted by 青山郁彦 at 17:45| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする